TOP > 塩が持つ「祓い清め」の力のお話し
■ 古代の人々と塩
塩には優れた浄化力や殺菌効果があることを古代の人々は経験的に知っていました。
一般庶民は墓など持つことができず、野辺に遺体を葬ることが普通に行われていた古代の日本において、腐敗といういわゆる物質的な「死のケガレ」は、時に生きている人間に伝染病などの災いをもたらす忌むべきものだったのです。
「死」が生きている人間にもたらす、このような直接的な災いから身を守るため、古代の人は塩を使うようになり、やがてそれが塩で清めるという形式的な行為へと姿を変えていったのではないかと言われています。
■ 神道と塩の関わり
神道のお祓いにおいても、塩は無くてはならないものです。
神道においてのお祓い(禊ぎ祓い)の起源は、『古事記』などの神話に見ることができます。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、妻である伊弉冉尊(いざなみのみこと)がいる黄泉の国から戻った後、日向の阿波岐原で自分の体についた死の国のケガレを祓うため、海水につかって禊ぎを行ったというくだりです。
この禊ぎとは、黄泉の国からこの世に戻る時に行う再生の儀式(「蘇り」=「黄泉がえり」の儀式)であり、これに海水が使われたことを起源として生まれたのが神道における「塩で清める」という行為なのだといわれています。
古代より、塩にはケガレを祓い清める力とともに、あらゆるものを再生させる力が宿っていると考えられていたのですね。
なお、補足ですが神道の世界でいう「ケガレ」とは、決して死者を不浄なものとして忌避したり、ましてや冒涜したりする言葉ではありません。
神道の世界において「ケガレ」は「気枯れ」と書き、これは気が枯れてしまった状態、すなわち生命力が枯渇してしまった状態を表します。
この生命力が枯渇した状態の最たるものが「死」であり、残された人間も例えようのない悲しみや喪失感に襲われ、同様に「気枯れ」の状態にあるのだと考えるのです。
この特別な状態から、もとの平穏な日常に戻るために使われるのが、あらゆる生命の源である海の水から作られた塩なのです。
いわゆる「清め塩」から塩が持つ再生のパワーを受けることによって、私たちは死の悲しみにひとつの区切りを付け、少しずつですが平穏な日常へと戻っていくのです。
■ 盛り塩、持ち塩には粗塩を使いましょう
以上、長々と書いてまいりましたが、これらの歴史的背景を踏まえますと「盛り塩」「持ち塩」に使う塩は精製された塩ではなく、海のパワーがそのまま含まれる天然の粗塩がおすすめです。
さらに、できれば日本の海の水から作られた粗塩であればベストでしょう。
当八幡宮で授与している「御神塩」は、すべて日本の海水から作った粗塩を使っておりますので、どうぞ安心してお使い下さい。
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